令和３年度 市立横手病院 病院指標

当院は、地域の基幹病院として、急性期を中心に回復期の機能も担っており、地域の人々に安心できる良質な医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。
また、地域包括ケア病棟を配置し、地域の慢性期機能施設と連携を図り、外来から入院、そして退院後の在宅医療へと切れ目のないサービスの提供を行っています。
令和3年度は、昨年度より続くコロナ禍での厳しい病床運用となりましたが、昨年度と比較し全体で232名増加しました。50代を除くすべての年齢で昨年度より増加していますが、その中でも80代の患者さんが、79名増加しており各年齢の中で最も増加しています。
当院で患者数の最も多い年齢層は、70代の患者さんで平成29年度より5年間続いています。70代の患者さんの疾患は、悪性腫瘍が最も多くなっており、70代の疾患の約33％を占めています。部位は、胃や大腸といった消化器の悪性腫瘍が最も多くなっており、治療は主に化学療法、内視鏡的治療、外科的治療を行っています。
次に多い60代の患者さんの疾患も70代の患者さん同様、悪性腫瘍が最も多くなっています。
0～10代の患者さんは、昨年度より64名増加しており、気管支炎が0歳代の疾患の約47%を占めています。
当院を退院された患者さんの最も多い疾患は、悪性腫瘍となっており次いで消化器系疾患、呼吸器系疾患となっています。

患者数は、延べ患者数となっていますので、化学療法等で入退院を繰り返した場合、入退院を繰り返した回数分の患者数となっています。
当院の癌症例では、昨年度同様、大腸癌が最も多くなっています。年齢は、60代と70代の患者さんが一番多くなっており、次いで80代、50代の順となっています。平均年齢は約71歳で、70歳以上の患者さんが全体の約58％を占めています。大腸癌に対する治療は、化学療法が最も多く、次いで外科的手術となっています。
次に患者数の多い癌症例は、胃癌となっています。年齢は70代の患者さんが一番多くなっており、70歳以上の患者さんが全体の約67％を占めています。
大腸癌同様、高齢の患者さんが多い傾向にあります。胃癌に対する治療は、大腸癌同様化学療法が最も多く、次いで内視鏡的手術となっています。
当院の治療は、Ⅰ期やⅡ期といった早期の胃癌や大腸癌の患者さんに対しては、内視鏡的治療や腹腔鏡下手術を行い患者さんの体への負担が少なく、入院期間の短縮や早期に社会復帰が出来るように努めています。
また、Ⅲ期やⅣ期の患者さんに対しては、状態に応じて手術や化学療法を行っています。

当院の市中肺炎の患者さんは、昨年度と比較し4名減少しています。
最も多い市中肺炎の重症度の患者さんは、昨年度同様、中等症の患者さんで全体の約40％占めています。
平均年齢は、軽症、中等症で昨年度より上がっており、特に中等症の患者さんは5歳上がっています。それに伴い平均在院日数も約15日伸びています。

当院に脳梗塞で入院される患者さんの年齢は、70歳以上の患者さんが約80％となっており、昨年度と比較し約1歳上がっています。
昨年度は、40代、50代の患者さんは7名でしたが、令和3年度は5名に減少しており、平均年齢を上げる要因の１つと考えられます。
令和3年度の平均在院日数は、昨年度より約4日短くなっています。
当院では、脳梗塞に対する急性期治療を経過し、病状が安定した患者さんの多くは地域包括ケア病棟に転棟していただき、在宅復帰に向けて治療・支援を行い、安心して退院していただけるよう支援しており、令和3年度は約71％の患者さんが自宅に帰られています。

当院の手術・処置等の合併症の内訳は、術後出血が7名で最も多く次いで創部感染、瘢痕狭窄各5名となっています。
これらの合併症は、医療の性質上なくす事は出来ませんが、発生を最小限に抑え、安心で良質な医療を提供出来るよう日々努力しています。